FUJIFILM Business Innovation|富士フイルムビジネスイノベーション|四面楚歌で前途多難?





米国ゼロックスグループだった頃の富士ゼロックスはゼロックス50%フジフイルム50%の合弁会社。
米国ゼロックスの衰退?を機にフイルムが持ち株比率を増やし最終的に100%子会社にしたのかな。
ゼロックスブランドは使えないから企業名も変えた。

これに先立ち、フイルムがゼロックスを姑息なまた傲慢なやり方で買収を試みたことがあったが、ゼロックス株主の顰蹙、反感を買ってとん挫した経緯がある。ゼロックスはアメリカの名門企業とされていて、中南米の企業買収と同じアプローチで歓迎される分けはない。この失敗は致命的大失敗と言っていい。最大の友を最大の敵にしてしまったかも知れない。

その前には、やはり米国ゼロックスの業績が悪化した時に株主比率をフイルムが70%まで買い増した経緯がある。ここにもフイルムの姑息な一面が窺える。バランスが崩れて迷走が始まる瞬間だ。

富士ゼロックスは創業から一貫して富士フイルムの利益の大半?を稼ぎ出すドル箱。フイルムは経営に介入することは殆どなかった。ビジネス、経営の先進事例で口出しする必要はなかったし、むしろ教わる立場だっただろう。

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皮肉なことに最もイノベーションが必要なフイルムは旧態依然の体質。

米国コダックやゼロックスの経営危機は他山の石だったが、フイルム自身は体質改善よりM&Aでお茶を濁してきた。コングロマリット化を目指しているようにも見えるが、空洞化が待ち受けている。

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50%50%時代の富士ゼロックスはカリスマ小林陽太郎のリーディングのもとに開花した企業の理想郷だっただろう。

それを懐かしむ人にはFFBIは全く別会社に見えるだろう。

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もし、

キヤノン、リコー、京セラ、エプソン、シャープなど国内競合が米国ゼロックスと提携したらどうなるか。ブランド捨てて誰も知らないFFBIはフイルムの稼ぎ頭ではいられなくなる。国内でも海外でもだ。

国内競合にとっては美味しいフルコースディナーが待ち構えている。国内はダブルブランド。海外も富士ゼロックスが持っていた市場は全部手に入る。加えて、ゼロックス本体へのOEM輸出を経由しての世界市場の全てだから、濡れ手に粟どころではない美味しい世界が待っている。

ゼロックスとの離別はブランドの緒制約を受けないオウンブランドで世界市場が手に入るとフイルムは踏んだのだろうが、 視点を変えれば全て失いかねない。

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フイルムの株はFFBIの苦境がニュースになる前に売却するべきだろう。むしろ今がピークで売り時かも知れない。

キヤノンの赤字計上を見れば、これからの時代の事業ではなさそうだと容易に想像できる。

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連結利益計上の不祥事問題

富士ゼロックスの海外連結子会社 の利益の水増し問題は、連結子会社の問題だが、そのガバナンス責任を取らせる形で吉田が追い落とされた。

これは、何も知らない人には自然な対処に見えるだろうが、もっと何も知らない人には不自然だ。富士フイルムは本社機能担当役員を直接送り込んで富士ゼロックスはすでにフイルムのガバナンスの下にあったからだ。

吉田は富士ゼロックス生え抜きで言いたいことを言える人物だったが、逆に言えば、富士フイルムから送り込まれた役員たちには煙たい存在だったろうか。海外不祥事が知れると、もっけの幸いとこれを利用して、吉田を外してしまった。この後、富士ゼロックスの社長は富士フイルムから送り込まれることになった。

上下の敷居の低い、自由で明るい社風は決定的に封じられてしまった。50%時代を知らない社員が増えれば、誰も疑問に思わなくなるだろう。

どの局面でも、姑息なやり方が古森時代の富士フイルムのやり方。尊敬など、社員からも、取引先からも、誰からも得られない。数字だけ見ている人には、それでも、一定の支持はあるに違いない。企業、ビジネスに数字しか見ない存在は、少なからず存在する。決して付き合いたい奴ではない。

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追記@2021/04/05

4月1日から新社名でテレビ広告も流していた。

しかし、最大関心事は次のゼロックスブランド提供者のことだ。

今後の問題は、日本市場、富士ゼロックスがカバーしていた世界の半分近い市場で、いつ誰が再びゼロックス ブランドでビジネスを始めるか。

ペーパーレス化がほんっかう化しつつある中で、どこの複写機事業も厳しい。ゼロックスブランドと広大な市場は喉から手が出るほど欲しい筈。競合問題をクリアする方法を考えているだろう。ダブルブランドになっても構わない企業もあるかも知れない。相応の体力は必要。

手をこまねいていると、ブランドのない中国企業が出てくるだろう。

最大のチャンスを持っているは京セラ。正しい判断ができるかどうか。

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