アマゾン


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  1. 面白い記事だ。通販ビジネスに必要なネットワークインフラを自分で作ってきたアマゾンは(もちろんITベンダーの協力は不可欠だろうが)そのインフラこそが競合シナリオの軸だったろうことは疑いない。
  2. 絶対的優位性を確立するためにIT投資の回収を外部開示による第三者利用からの売り上げでかまなうことができればITインフラ投資の負担を軽減できると踏んだだろう。
  3. 面白いのはインフラの外部開示ビジネスそのものが化けてしまったこと。
  4. 一方、本業の?通販ビジネスそのものは、少なくとも日本国内での成果は疑問が残る。不健全な部分が目立つ。魅力度は確実に低下している。結局、インフラの無料利用のメリットが出てきていない。その理由は本業の稼ぎが次いで事業の稼ぎに追いつかない逆転現象で担当役員が功を焦る形になっているからだろう。利益志向が目立つ結果、効果が逆でアマゾンの魅力度を下げている。
  • 通販事業という本業ではヨドバシカメラに必ず負ける。アマゾンを選択する理由は極めて希薄だ。
  • インフラ事業は一般の人からは見えないが、成功すればやがて互換勢力に包囲されて収益性は下がっていくに違いない。



http://japan.zdnet.com/article/35068414/

 絶好調AWSがアマゾンの好循環の原動力に

Matt Asay (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎 2015年08月07日 06時30分

 Amazon Web Services(AWS)は収益性を向上させ続けているが、このことは、Amazonのすべての事業にとって恩恵となっている。

 Amazonが米国時間7月23日に行った業績報告は、クラウドコンピューティング業界にとっては考え得る最悪のニュースだったと言えるかもしれない。AWSは躍進を続け、同四半期に18億2000万ドルもの莫大な売上を上げた。これは前年同期比81%増の大躍進であり、営業利益は407%増(3億9100万ドル)にもなった。

 投資家はAmazonの9200万ドルの利益に沸き、これが18%の株価上昇につながった。この利益は、小売業界とクラウド業界の競合相手に懸念を抱かせたはずだ。

 Amazonは常に利益をゼロに抑えようとしており、Benedict Evans氏の説明によれば、「その成長し続ける営業キャッシュフローのプールを未来のために」、あるいは未来をつかむために費やしている。小売市場のシェアはわずか1%であり、グローバルIT市場ではおそらくそれ以下であることを考えれば、Amazonの前途にはまだまだ開拓すべき大きな市場が広がっている。

 しかし、増え続けるAWS事業の利益が同社のあらゆる事業の物理的なインフラの拡張を加速していくにつれ、Amazonは打ち破ることが難しい存在に見え始めてきた。
利益ゼロの上に作られる未来の利益

 Appleの収益性の高さが魅力的なのは、誰が見ても議論の余地がないが、Amazonはまったく別のゲームに取り組んでいる。将来のAmazonは高い利益を生んでいるかもしれないが、現時点で同社は潜在的な利益をインフラの拡張に費やしている。

 Evans氏が説明するとおり、このAmazonの過剰に思えるほどのインフラへの投資は、恐るべき勢いで増え続けている。

提供:Amazon

 Evans氏が言うこの「Amazonの物理インフラ投資の途方もない増加」は、Amazonの小売事業を支えているが、同様にAWSも支えている。Amazonの事業は本質的に利益を上げられないのではないかという疑問を呈する人もいるが、それは正しい質問ではない。

 Evans氏は、「問うべきは、Amazonの事業は利益の出ないネズミ講なのではないかということではなく、Bezos氏が未来を捉えられるかどうかだ」と述べている。

 それに関連した質問に、果たしてAmazonにはこれだけのインフラへの投資を続けるだけの資金的余裕があるのか、というものがある。この質問に対する回答は、Amazonの最新の業績報告を見る限り、まったくの「イエス」であり、これはAWSのおかげだ。

 この四半期、AWSの営業利益率は21.4%だった。これはつまり、3億9100万ドルの利益にあたり、前期比47.5%増、前年同期比で407.8%増となる。これを全体から見てみると、Sejuti Banerjea氏が書いているとおり、「つまりこの部門は、売上では全体のうち8%しか占めていないにも関わらず、営業利益の36.4%を稼ぎ出していることになる」わけだ。

 AWSの収益性がもっと高かったらどうなるか、想像してみるといい。 

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収益部門がほかの部門を支える構造

 小売業界、クラウド業界のAmazonの競合相手にとって悪いニュースは、AWSの収益性は向上しているように見えることだ。

 その理由の一部は、同社の最高財務責任者(CFO)Brian Olsavsky氏が業績報告で述べているとおり、パブリッククラウド業界では全体的に価格が大きく下がっているにも関わらず、AWSがイノベーションのためにお金を払う顧客を獲得していることにある。

     利用率は前期比で見ても、前年同期比で見ても増加し続けている。また、コストベースでの事業効率も非常に高い。

     イノベーションは減速しているのではなく、むしろ加速している。当社は350もの新たな機能やサービスの提供を開始しており、われわれはこれが顧客の共感を呼んでいると考えている。

     価格は確かに要因の1つだが、われわれはそれが常にもっとも重要な要因であるとは考えていない。実際、顧客からの声によれば、当社の顧客は、早く前に進む能力と敏しょう性を重視している。

 さらにOlsavsky氏は、AWSは2006年にスタートして以来49回値下げしており、値下げはモデルの一部であるとしている。実際、この側面でAWSに追随できる競合相手は存在しないが、その理由の1つは、Amazonほど小さな利益幅でやっていける構造の企業がほとんどないことだ。

 だが、営業利益率はこれまで一般に考えられていたほど小さくはない。AWSの21.4%という営業利益率はかなりのものであり、ある意味ではAWSの効率を控えめに表現している。Olsavsky氏が指摘している通り、Amazonは「外向けのAWS事業のみならず、社内でのAWSサービスの利用でも効率性の恩恵を大きく受けている」という。

 この傾向は今後も続くだろう。また、これが小売業界とIT業界の両方、そしてまだ発表されていない事業で、今後も市場破壊を続けていく原動力になるはずだ。

 Evans氏は次のように締めくくっている。「Amazonの事業の売上は急速に伸びているが、余剰のキャッシュや利益を積み上げてはいない。これは、キャッシュのすべてが事業を拡大するための設備投資に回されているからだ。しかし、いずれかの事業が継続的な赤字になっているわけではない。すでに上げている利益は、新たな事業を生み出すのに費やされている」(Evans氏)

 これもすべて、「ローマージン」のAWS事業のおかげだ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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