Corporate Solution Management


弓削一幸


Corporate Solution Management


コーポレート ソリューション マネージメント

長ったらしい名前だけど大丈夫かな。新しい発想が紹介されているかも知れないと思って流れて来た記事を眺めてみた。

今や古典的なPDCAでなく、これからはPMDCAだというのだろうか。間に追加されたMはムーブとあるが説明内容に照らすとモチベーションでしょうね。試しにPMDCAを検索しても何もヒットしないから未だ一般的な受け入れには至っていないようだ。

この頃はPDCAはもう古いという意見をよく目にする。確かにPDCAの文字列に拘る手合いには妥当性に疑問を持っても不思議ではない。只の改善活動の代名詞ぐらいに理解すれば文字列に拘る必要もない。どこの企業だって自分の会社のやり方に変えている。

4つのアルファベット文字列に拘る連中は、改善改革などの活動を周りで見ているだけで実戦経験のない人達が殆どだろう。

デミング賞の話にしても、日本の改善活動を説明したら博士がモデル化してPDCAと並べただけのことだ。 改善モデルはもちろん他にも色々あるが、敢えてこのPDCAモデルだけを除外する企業は個別の事情でも無い限り見当たらない。常識の1つで知らなければビジネスもミーティングもできない。

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会社がPDCAと言いだして逃げ出していたら多分新進の発展企業に辿り着くか先の見通しの得られない会社(結果が人が逃げ出していつでも人材募集中の会社)に辿り着くことだろう。

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新価格の顧客への提示に関する事例は面白い。心理的バリアはいい着眼だ。実際の改善活動をやっていないとこういう発想が平気で出てくるようだ。一人一人が取り組む改善活動を全く理解できていないと、本社本部主導の上意下達だけ。其の結果はこうなるという悪い事例の紹介になっている。

 

「事業再生」の嘘と真実 (経営者新書 185)

 



https://gentosha-go.com/articles/-/28596


会社が「PDCA」と言い出したら、逃げ出したほうがいいワケ


弓削 一幸2020.8.31事業再生人材育成
会社が「PDCA」と言い出したら、逃げ出したほうがいいワケ

本記事では、管理業務の円滑化を目指す「PDCAサイクル」が抱える問題点について見ていきます。*本記事は、弓削一幸氏の著作『事業再生」の嘘と真実』(幻冬舎MC)から抜粋、再編集したものです。

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多くの会社が「PDCA」を回そうと試みているが・・・

ビジネスに携わる者であれば、誰もが一度は耳にしたことがある言葉の一つに、「PDCA」があります。品質管理の父と呼ばれるエドワーズ・デミング博士らが提唱した考え方で、もともとは生産管理や品質管理などの管理業務を円滑に進めるための考え方を言います。

計画(Plan)を立て、計画に沿って実施(Do)し、実施が計画通りであるか評価(Check)し、実施が計画に沿っていない部分を調べて改善(Action)する、そしてこのサイクルを次の計画(Plan)に反映するというものです。

多くの会社がPDCAを回そうと試みています。上手く回して業務改善に繋げている会社がある一方で、なかなか回らないと苦悩している経営者も多いようです。事業再生の現場でも、PDCAを回すことは実は極めて至難の業なのです。

PDCAサイクルを回すことは、極めて至難の業だ。

必要なのは「行動する人の気持ちを動かす」ステップ

デミング博士は1900年生まれで、科学的管理法を確立したフレデリック・テイラーの存命中(1915年死去)に生まれています。工場の仕事を細かく分けて管理するというテイラーの管理法は、「分けること」を本質とするまさに「科学」です。そのような時代ですから、デミングの考案したPDCAサイクルも科学の世界の賜物と思われます。

つまり、人間は合理的な生き物であるという人間観が前提になっていたと思われますが、デミングの晩年の著作を読むと、彼は経営者は「深遠なる知識の体系」を持つべきとして4つの知識を挙げており、その中の一つに「心理学に関する知識」を挙げ、人の気持ちに関する知識の重要性を強調しています。

従って、デミングが考案し、「PDCA」としたフレーム中の前半である「P→D」の部分には、「合理的な人間」の前提などなかったと考えています。つまり、「人間は合理的な生き物だから、合理的な計画を立てれば、すぐに組織の人間は計画に沿って動くものである」などと考えていなかったのではないかと思うのです。

従って、デミングらが提唱したPDCAサイクルは、実はもう一つ大きなステップをフレーム外に含むものであると解釈すべきです。私が考えるモデルを示したものが下の図表になります。

[図表]新たなPDCAサイクルモデル

●「M」はMove

「P→D(行動に移す)」の間に実はもう一つの隠れたステップが含まれており、「P→M(実施する人の気持ちを動かすこと)→D」と明確に示したほうが、このフレームワークの効果をさらに上げるのではないかということです。Dの前に、M「行動する人の気持ちを動かす」というステップを意識的に織り込まないと、どんなに優れたアイデアを企画し、戦略に落とし込んだとしても、Dには行きつきません。

「人に行動してもらう」前には「人に行動しようと思ってもらう」ことが必要で、そのハードルは極めて高いにもかかわらず、そのステップが明示されていないのがこのPDCAサイクルのモデルの大きな欠点です。

「P→D→C→A」とだけ記号化してしまうと、4つのステップだけに目が奪われ、PDCAサイクルを回すという仕事をした気になってしまいます。しかし、このモデルの肝、最も大事なところは、Dの前のMにあるのです。
自らの営業経験が「外部のアドバイス」を遮断!?

例えば、PDCAサイクルだけで考えても、多くの営業マンの深層心理に何らかの心理的バリアが存在しているため行動に移せません。

それは、「営業責任者の俺の言うことが絶対だから、外部のコンサルタントの言うことを聞く必要などない」というような、営業責任者に備わった心理的バリアであるかもしれません(実際にそういう例もありました)。

あるいは、「そんな低い価格を今さら提示したら、今までの提示価格は何だったんだと、クライアントに逆に怒られてしまうじゃないか」と過去の営業での提示価格にこだわってしまう気持ちや、「あの会社の購買部長、本当に苦手なんだよ。取引ができなくて喜んでいるのに、今までよりも安い提示価格で営業に行けだなんて、なんて事を言うんだよ」といった気持ちかもしれません。

このようないろいろな心理的バリアが邪魔をして、彼らが新規顧客を訪問して新しい価格を提示するという行動から遠ざけてるのです。従って、彼らに行動してもらうには、この心理的バリアが何なのかを把握し、対処する必要があります。
顧客の説得方法などの具体的な助言で、ようやく克服

実際、ある企業の個々の営業担当にデプスインタビューを実施したところ、先ほど例示したように、「新しい価格を提示すれば、新規顧客の開拓に繋がることは理解しているのだけれども、その前に、今までの提示価格は何だったのか。今までは、掛け値商売をしていたのではないか。と疑われたり、怒られたりするのが嫌だから、新しい価格を持って営業に行きたくはありません」という意見が大勢を占めていました。

そこで、今までは何回営業しても価格が問題で開拓できなかった営業先に、営業担当が新しい価格を提示しやすくするために、「新しいお客様との取引開始によって、当社の工場の稼働率が上がったために、今回の廉価な価格のご提示が可能となりました」と説明するよう指示を出し、ようやく彼らを納得させて、新しい価格で営業に回ってもらうことができるようになりました。

一見すると、喜び勇んで新しい価格で営業に行くと思えるようなケースでも、「行動」に移すまでに半年間の時間を要しました。いかにPDCAサイクルを回すことが難しいか、ご理解頂けたでしょうか。

弓削 一幸

株式会社Corporate Solution Management 代表取締役


@2020/09/04

書籍(「事業再生」の嘘と真実)は弓削一幸代表の著作のようだが恐らく企業の体質改善に対する氏の思いが埋め込まれているに違いない。

 本来PDCAとは別次元の議論になるが、考えを行動に移すことの難しさは、組織を動かそうとすると明確なテーマになってくるのは理解できる。正に改善活動(改善運動)そのものだ。

少し違った視点ながら似たような発想の記事も流れてきているが、これまたなかなか面白い。

発達障害の僕が発見した「すぐやる人」と「なかなか着手できず破滅する人」を分ける思考のクセ」 の中で紹介されていた「スタートコスト 」という考え方だ。

葛藤・躊躇・思案・・・に支配されている自分の中では何が起きているか。

もしかすると、「行動の科学」という領域の研究かも知れない。


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